イケメン小説家は世を忍ぶ
「二十七の俺が『坊主』なら、四十超えるあんたは『じじい』だろ?」

こんな状況にも関わらず、ケントは余裕の笑みを浮かべ軽口を叩く。

「ふん、手厳しいのは相変わらずだな、坊主」

「あんたは老けたけどな。国王を殺してあんたが新しい王様にでもなるつもりか?軍事はいいとして、内政や外交があんたに出来るとは思わないが」

急に真剣な顔でケントはアーロン将軍を見据えた。

「コンラッドにやらせるよりはマシだ。だが、坊主が俺の言いなりになるって言うなら、お前が王でもいいぞ。やはり、王族の影響力は強いからな」

もったいぶった言い方をすると、アーロン将軍は口角を上げる。

「あんたに利用されるなんて真っ平御免だね」

ケントは、アーロン将軍の提案をはねのけた。

「坊主ならそう言うと思った。マックス、連れていけ」
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