イケメン小説家は世を忍ぶ
今まで自分に関係の言葉だと思ってた。

でも、もう他人事ではないのだ。

銃撃戦が目の前で起きるかもしれない。

「そう暗くなるな。全部終わったらセピオンを観光案内してやる」

ケントは私を元気づけようと、屈んで私の頭にポンと手を置く。

「この俺が案内するんだ。光栄に思え」

「こんな時でも俺様発言ですね」

ケントの言い方がおかしくてつい笑ってしまった。

でも、そんな彼を身近な存在に感じる。

正真正銘の王子様なのにね。

「……伯父さん言ってました。セピオンの街は石畳でとても趣があるって」

無事に脱出出来たら私も見てみたいな。

「五月は城はブルーローズ覆われるし、綺麗だぞ」

ケントは自慢げに笑う。
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