イケメン小説家は世を忍ぶ
桜井先生は秘密主義なのか顔や年齢は公にしていなくて、うち以外の出版社とは決して契約しないらしい。
「え?でも、桜井先生の担当は伯父さんでしょう?私のような新人が行っていいの?」
桜井先生は気難しい人らしく、担当は社長である伯父さんと決まっている。先生の個人情報も他の社員は知らない。
『ゴホッ……インフルエンザにかかってな。一週間は……ゴホッ……外に出れない』
掠れた声。風邪かと思ったけど、インフルエンザだったのか。
ニュースでも四月なのにインフルエンザ流行ってるって言ってたもんね。
「伯父さん……大丈夫?」
声だけ聞いてると、とても辛そう。
『ああ……私は大丈夫だ。締め切りが迫ってるし、先生も困ってるから、ゴホッゴホッ……早く行ってくれ。……頼む。先生のことは……他の社員には……しゃべるな。先生の自宅住所と連絡先は……ゴホッ……後で……メールする』
これ以上伯父に喋らせるのは酷だ。
「え?でも、桜井先生の担当は伯父さんでしょう?私のような新人が行っていいの?」
桜井先生は気難しい人らしく、担当は社長である伯父さんと決まっている。先生の個人情報も他の社員は知らない。
『ゴホッ……インフルエンザにかかってな。一週間は……ゴホッ……外に出れない』
掠れた声。風邪かと思ったけど、インフルエンザだったのか。
ニュースでも四月なのにインフルエンザ流行ってるって言ってたもんね。
「伯父さん……大丈夫?」
声だけ聞いてると、とても辛そう。
『ああ……私は大丈夫だ。締め切りが迫ってるし、先生も困ってるから、ゴホッゴホッ……早く行ってくれ。……頼む。先生のことは……他の社員には……しゃべるな。先生の自宅住所と連絡先は……ゴホッ……後で……メールする』
これ以上伯父に喋らせるのは酷だ。