イケメン小説家は世を忍ぶ
「よそ見するなんて余裕だな、坊主」

アーロンの声がして奴の方に視線を向けると、パンチが飛んできた。

反応が遅れたため避けきれず、みぞおちにヒットする。

防御出来なかった俺は、身を屈めゲホゲホと咳き込んだ。

「身体がなまってるんじゃねえか?もっと楽しませろよ」

アーロンがせせら笑う。

「煩い。これから本気を出すさ」

体勢を立て直すと、ニヤリと笑ってみせた。

ここでぐずぐずしている暇はない。

結衣をすぐに病院に連れていかなければ……。

だが、目の前の男は銃であっさり俺を殺すより、俺をいたぶって殺したいらしい。

笑いながら銃を使わず攻撃してくる。
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