イケメン小説家は世を忍ぶ
肉弾戦なんて……アーロンらしいといえばらしいのだが……。

アーロンの動きを読んで攻撃をかわしているうちに身体が慣れてきて、自分も仕掛けた。

余裕があればとことんこいつに付き合ってやったかもしれない。

素早く動いてアーロンの背後に回ると、殺し屋のように奴の喉元にナイフを突きつけた。

「チェックメイトだ」

力はアーロンの方が上だと思うが、俊敏さでは負けない。

それに、こいつは左目を失って視野が狭くなった。

「坊主……」

アーロンが悔しそうにチッと舌打ちする。

「悪いがあんたと遊んでいる時間はない。部下に銃を収めるよう言え」
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