イケメン小説家は世を忍ぶ
バチバチという銃の音と共に閃光がいくつも見えた。

「発進して下さい!」

ユアンが操縦士にそう言うと、ヘリは動き出す。

閃光が小さくなると、俺は結衣の元に駆け寄った。

「結衣」

気遣わしげに声をかけると、結衣は苦しそうに呼吸しながら俺の手を掴む。

「弾が貫通せずに残ってます。早く取り除いて止血しないと……」

俺の顔を見ながらジェイクは説明する。

「ここから一番近い病院は?」

隣にいるジェイクに聞くと、残念そうに首を横に振った。
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