イケメン小説家は世を忍ぶ
いつの間にかパジャマなんか着てるし、何がなんだかよくわからないんですけど……。

それに……左手には指輪をつけていた。

これってケントの?

照明の光にかざして指輪を見てみると、青いサファイアが静かに煌めく。

これ……やっぱりケントのだ。

なぜ私がこの指輪をしてるの?

どうしてこんなことになっているのかと記憶を辿るが、断片的にしか思い出せない。

ケントがマックスに銃で撃たれそうになって……私が前に飛び出して……肩に激痛が走って……。

その時のことを思い出すと、身体が震え怖くなった。

そう……私はマックスに撃たれて右肩を負傷したんだ。

死にそうなくらい痛かったのだけは鮮明に覚えている。

ヘリに乗せられて……それからどうなった?

「……全然思い出せない」
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