イケメン小説家は世を忍ぶ
「……ってことは、これはケントのベッド?」

「そうだ。ゲストルームに寝かそうと思ったが、ここから離れていて何かと不便でな。城の中も混乱してたから、俺の部屋に連れてきたんだ」

「すみません!ベッド取っちゃって。私退きますから、ここで寝てください」

慌ててベッドから出ようとしたら、ケントに止められた。

「昨日まで高熱で意識朦朧としてたのに、何言ってる?ここで大人しく寝てろ。お前を城に移すのも迷ったんだからな」

「……はい。ところで、城に移動したってことは、占拠していた軍はどうなったんですか?」

「お前が寝てる間にアーロンが投降して、城を明け渡したんだ」

……私が寝てる間にそんな展開になっていたなんて……。
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