イケメン小説家は世を忍ぶ
「何ボーッとしてる?自分で飲めないなら、口移しで飲ませてやろうか?」

「何馬鹿なこと言ってるんですか?からかわないでくださいよ」

優しいなって思ったのに、こうやってすぐからかって……。

ゴクゴクと水を飲むと、ケントが私をじっと見て驚きの発言をした。

「遠慮するなよ。お前が高熱でうなされた時、何度も口移しで飲ませたんだから」

「うぐっ‼︎」

思わずむせてゲホゲホと咳き込む。

今……『何度も口移しで飲ませた』って言った?

「もう冗談言わないでください!本気にしちゃいますよ」

ケントの背中をバシバシ叩いて責めるが、彼は悪魔な顔でニヤリと笑った。
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