イケメン小説家は世を忍ぶ
「覚えてないなんて残念だな。何なら今やって思い出させてやろうか?」

「け……け、結構です!本当に口移しで飲ませたんですか?」

「ああ。うわ言で『水』って何度も言ってたからな。見てられなかった」

普通なら顔を真っ赤にして怒るとこだけど、ケントが急に真面目な顔で私を見るからつい謝ってしまった。

「……それは、すみません」

「本当、お前は手がかかる」

困ったように言って、何故かケントは私のパジャマのボタンに手をかける。

「……な、何をしてるんですか?」

ビックリしてケントの手を止める。

「肩を見るだけだ」

当然のようにケントは言うが、男性に肌を見せられるわけがない。

「嫌ですよ!何で見せなきゃいけないんですか!」
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