イケメン小説家は世を忍ぶ
「耳元で騒ぐな。煩い。早く見せろ」

「駄目です!」

身を屈めて抵抗するが力ではケントに勝てなくて、彼にパジャマを脱がされる。

ブラをつけていればよかったのだがいつの間にか外していて、私は咄嗟に自分の胸を隠した。

でも、ケントは私の胸には興味はないらしく、私の肩に触れた。

彼のひんやりした手に驚いて身体がビクッと震える。

「冷たかったか?悪い」

そう謝りながらケントは私の背中のテープを外した。

「……良かった。ほとんど治ってるな」

心から安心したような声でケントが言う。

「治ってる?……そんな馬鹿な?」

かすり傷じゃないんだから、そう簡単に治るわけない。
ケントの言葉が、信じられなくて彼の方を向く。
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