イケメン小説家は世を忍ぶ
王族ではなく有能な人間が政治を行うべきだと思う。

変革をするなら、今が最大のチャンスなのだ。

「僕に出来ることなら何でも言って下さい」

「ああ。お前の助けが必要だ」

頰を緩めると、金髪の少女がこちらにやって来た。

「ケント様、おはようございます!」

俺に抱きついて彼女は挨拶する。

「おはよう、セシリア」

ニコッと微笑むと、セシリアの頭を撫でる。

彼女はキースの妹で俺の十歳下の従妹。

今、城にいる侍女の数が少なく、日中は彼女に結衣の世話を頼んだ。

「セシリア、僕には挨拶はないの?」

横にいるキースが苦笑いしながら言うと、セシリアはチラリと彼に目を向けわざとらしく驚いた振りをする。
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