イケメン小説家は世を忍ぶ
「それって……どういう……」

セシリアが俺の腕をギュッと掴んだその刹那、ユアンが息急き切ってこちらにやって来た。

「大変です!刑務所にいたアーロンとマックスが部下を連れて脱獄したそうです!」

アーロンとマックス達は投降後、城から二十キロ程離れた刑務所に収容されている。

「マックスは予想出来なくはなかったが、アーロンもか」

マックスは投降した時、アーロンを睨んでいた。だから、このまま丸く収まるなんて甘い考えは持っていなかった。

だが、アーロンは自ら投降したのに、どうしてすぐに脱獄したのか?

最初から計画していたとは思えない。

良くも悪くもアーロンは策士にはなれないのだ。
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