イケメン小説家は世を忍ぶ
15、罪の意識
「う……ん」

喉が渇いて目が覚めた。

ハッとして目を開ければ、ここは三十畳はありそうなシックな部屋で、目の前にある壁にはスーツ姿のケントの肖像画が飾ってある。

その近くにはシルバーのお洒落な壁時計があって、時計の針は十二時十分を示していた。

日差しが差し込んでるし、もう……お昼なの?

彼の姿は見えない。

ホッとしたような……、ガッカリしたような……。

ベッドから起き上がろうとしたが、身体が気だるくてすぐには起き上がれなかった。

おまけに下腹部が少し痛い。

いつもと違う自分の身体。

その理由は、自分がよく知っている。

今の自分は、何も身につけていない。

身体に無数にあるケントのキスマーク。
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