イケメン小説家は世を忍ぶ
でも、ケントの側にいたいって気持ちもある。

「私……どうしたらいいの?」

どうしていいかわからず悩んでいると、左手の指輪がピカッと青く光った。

「……この指輪……光った?」

そう言えば、ケントに指輪のことを聞きそびれた。

指輪を指から外そうとするが上手くいかない。

どんなに指に力を入れて外そうとしても、指輪は外れなかった。

「……これじゃあケントに返せない」

そんなことを考えていると、コンコンと部屋をノックする音がした。

一瞬、ケントかと思って身構えたけど、女性の声がして……。

「起きてます?」

英語で意味がわかり、思わず「はい」と返事をすると、肌を隠すために布団を肩まで上げた。
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