イケメン小説家は世を忍ぶ
ドアが開いて金髪の若い女性が入ってくる。

「もうすっかり元気になったみたいね」

刺々しい口調。

でも、その声は何となく聞き覚えがある。

その綺麗な女性は、睨みつけるように私を見ていた。

「あの……あなたは?」

金髪の女性の態度に困惑しながら聞くと、彼女はめんどくさそうに告げた。

「私はケント様の従妹のセシリア。忘れてるみたいだけど、王女のこの私があなたの世話をしてあげたのよ」
セシリアさんは、高飛車な態度で言う。

彼女に気圧され、私は少し引きながら礼を述べた。

「……それはありがとうございます」

「あなたのお礼の言葉なんていらないわよ!はっきり言って、あなたがここにいると迷惑なの」
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