イケメン小説家は世を忍ぶ
顔から一気に血の気が引いていく。

罪悪感に襲われ、気分が悪くなった。

「……す、すみません」

セシリアさんの顔を正視出来ず、うつむきながら謝る。

それしか言えなかった。

彼女の視線を強く感じる。

……ケントと私が何かあったなんてお見通しなのかもしれない。

「この服を着て早くここから出てって」

セシリアさんが何か投げたのか、私のいるベッドに何かがバサっと音を立てて落ちた。

視線を少し上げて見てみれば、それは黒のレースのワンピースで……。

「……でも、私…どうやって日本に帰ったら……。そう言えば……パスポートもない」
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