イケメン小説家は世を忍ぶ
「……水をお願いします」と答えたその刹那、外から機関銃のような銃声が聞こえた。

「伏せて!」

スーツの男性に言われ両手で頭を守りながら伏せる。

……また銃撃?

銃の音は止まない。

外が騒がしくなったと思ったら、この飛行機に何者かが乗り込んできた。

ひとりではない。三、四人はいる。

この飛行機の乗組員だったら良かったのだが、恐る恐る顔を上げて様子を窺うと、囚人服のようなオレンジ色の服を着た大柄な男達が銃を持ってこちらへやってきた。

一番後から来た男の顔を見て、私の身体は硬直した。
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