イケメン小説家は世を忍ぶ
「軍服よりも囚人服の方が似合ってるんじゃないか?」

俺は笑ってアーロンを皮肉った。

「うるせー。好きで着てんじゃね」

アーロンは不満そうに顔をしかめる。

「それにしても、俺に加勢なんてどういう風の吹き回しだ?」

「部下の不始末は俺の責任だ」

アーロンが真剣な眼差しで言う。

「あんたって……本当に軍人馬鹿だな」

銃を収めると呆れた口調でアーロンに言った。

「それは、俺への最高の褒め言葉だぞ、陛下」

フッと口元に笑みを浮かべるアーロン。

「陛下って呼ぶのはまだ早い」

そう指摘して、アーロンと目を合わせて不敵に笑った。
「だが、俺に手を貸せ、アーロン」
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