イケメン小説家は世を忍ぶ
それが、この指輪のお陰としたら……?

普通じゃ信じられない話だ。

でも、実際に銃で撃たれた怪我が数日で治っている。

「本当に治ったか確かめてみるか?」

マックスが私を嫌らしい目で見て笑う。

その不穏な声の響きに身体がゾクリとした。

身の危険を感じてシートの背に身体を押し付けるが、逃げようにも手足を縛られていては逃げられない。

頭にケントの顔が浮かんだが、彼に知らせずここに来たのだから助けに来るはずがない。

いや……ケントに頼っちゃダメだ。

彼には婚約者がいる。

マックスの手が伸びてきて私の服に手をかける。

「イヤー!」
< 266 / 284 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop