イケメン小説家は世を忍ぶ
咳が酷くて、朝倉さんは話すのも辛そうだった。

彼の話だと、まだニュースは見ていないが、ユアンがちゃんと仕事をしたらしい。

「覚悟の上です。俺のことより自分の身体のことを心配してください。インフルエンザを甘くみると、痛い目に遭いますよ。結衣にはここにもう来るなと伝えてあります。俺がこうして存在をアピールした以上、この場所を突き止められるのも時間の問題ですから」

俺の母方の祖父が日本人と言うのは少し調べればわかることだ。

『『死者が甦った』とか……ゲホッ……『影武者』とかテレビでもネットでも騒いでる。これからセピオンに戻る……ゲホゲホッ……のか?』

「ええ、近日中に日本を経つもりです。今の状況を黙認は出来ませんから……」

リビングにある俺が描いた城の絵を見ながら自分の意志を伝えた。

『私に出来る……ゲホッ……ことがあれば何でも言ってくれ』
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