イケメン小説家は世を忍ぶ
「さあてアーロン、どう動く?」

そうポツリと呟いたその刹那、スマホが鳴った。

画面を確認すると、ユアンからの電話。

すぐに画面を操作して電話に出る。

「ニュース見た。近日中に日本を経つ」

「あなたが動いてくれて、皆喜んでいます。実は……キース殿が日本に来ていて、至急お目通りを願っているのですが、どうされますか?」

「会おう。時間と場所はお前に任せる。決まったら連絡をくれ」

手短に言って電話を切り、またニュースを観ていると、トントンと何かが窓ガラスを叩くような音がする。

窓に近づいてみればモモが遊びに来ていた。

窓を開けると、俺の足元にモモがすり寄ってきて、屈んで撫でてやる。

「お前を撫でてやるのも今日が最後かもしれないな」

寂しげに呟くと、モモが俺の顔を見てニャア~と鳴いた。

こいつも俺と会えるのが最後とわかっているのかもしれない。
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