イケメン小説家は世を忍ぶ
モモとしばらくじゃれていると、ユアンがメールで場所と時間を知らせてきた。

午後二時頃ユアンの指定した都内の有名ホテルのラウンジに向かうと見覚えのある顔が……。

金髪の前髪を両サイドに流し、紺のスーツを着て、英字新聞を読んでいるキース。

一見ビジネスマンに見える。

あまりに堂々としていて、彼がニュースで報道されたコンラッド三世の息子とは誰も思わないだろう。

下手にこそこそ会うよりは、こういう人の多い場所の方がかえって安全だ。

キースに近づいて、対面の席に腰かけると英語で声をかけた。

俺達の母国語はセピオン語だが、英語を使ったのは用心のため。

「久しぶりだな。お前が無事で良かった」

何気なくテーブルに両手を乗せて手を組むと、キースに向かって小さく笑う。
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