イケメン小説家は世を忍ぶ
もう二度と会うこともないって思ってたのに……。

先生のところをお払い箱になり、まだ研修中の私は今日は大杉さんについて彼の担当する作家ー雅柚子先生との打合せのためにこのホテルに来た。

ラウンジの席に座ろうとした時、誰かの視線を感じて目の前の席に目を向ければ、桜井先生がじっと私を見ていて……。

どうしてあなたがここにいるんですか?

命の危険だってあるのに……。

あんなビデオメーッセージを流して……アーロンとかいう将軍に喧嘩を売ったようなものだ。

国王は処刑されたし、桜井先生だって殺されるかもしれない。

一体先生は……何を考えてるの?

見間違いではない。

あんな超絶美形、ふたりといないもん。

今日の桜井先生はいつものように眼鏡をかけ、前髪を流していて……彼よりも少し若い金髪の男性と一緒にいた。

大杉さんや一緒にいる彼の担当の作家さんに聞こえてないといいのだけど……。

そう願ったけど、大杉さんは私の言葉を聞き逃さなかったらしい。
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