あい。みつけた
「この上履きどうした?」


そう言いながら、私の手から上履きを取り上げた先生。



一瞬、先生の手が指に触れて、そこが急に熱を帯びたように熱くなる。


ドクンッと脈打った心臓のドキドキが、何故か止まらなくて、思わず胸に手を当てた。



「・・・どうもありません。なにも・・・大丈夫ですから。」


じっと見つめている先生の視線から目を反らして、そう答える。



胸のドキドキがまだ続いている。

けど、それよりも、何よりも・・・。



先生のまっすぐな視線に、ただ縋ってしまいそうになる自分が怖い。









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