あい。みつけた

『…―――だ』


『……―いだ』


んっ。

なんだかものすごく久しぶりに感じた熟睡感なのに…。


誰かが邪魔をする。


できれば放っておいて欲しい。


まだ、もう少し眠ってたいの…。


『……いだ、あいだ』


誰が私を呼ぶの？

こんなに眠いのに…。


「相田!!」


一際大きな声に、体がビクッと跳ね起きた。


それと同時に、一気に意識が覚醒していく。


声の主は…。


「えっ――…？中村…せんせ…い？」



「えっ、じゃないだろう！」


目の前には冷ややかな目をした先生がいた。


あれ？
もしかしてもしなくても、怒ってる？


そっか、数学の授業中だったっけ…。


「俺の授業で居眠りとはいい根性だな。放課後、数学準備室まで来い」


そう怒気を含んだ声で告げると、先生は教室を出て行った。












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