あい。みつけた

ただ呆然と先生の姿を見送る私に、クラスメイトたちは、クスクス笑いながら『ご愁傷様〜』だの『どうしたの〜』だの声をかけてくる。



そんな中、有紀は私の目の前に座り込むと、いつもの呆れ顔でため息をついた。


「和羽が居眠りなんて、どうしたの？」


珍しいよね、と呆れ顔から一転して真剣な目をして問われる。


「ははっ。そっかなぁ…」


真剣に聞かれても、どう答えていいかも、自分でもどうしてなのかも分からない私は、ただ曖昧に笑ってごまかしすことしかできない。


「やっぱり寝不足のせい？保健室で休んできたのに、ちゃんと休めなかったの？」


さっき咄嗟についた嘘を信じて、心配してくれる有紀に、胸がチクリと痛む。