俺に彼女ができないのはお前のせいだ!
小3と小4
俺には超えられないと思っている人が2人いる。
『天敵』とも呼べる存在。
1人は、めちゃくちゃ厳しい俺の親父で。
そして、もう1人は――
「良ちゃんおそーい! どんだけ待たせるの?」
「いちいちうるせーな。……先行ってればいーべ?」
「へぇ? あたしが先に行くと機嫌悪くなるくせに」
とさか化した寝ぐせを手で押さえつけていると、
そいつはふわりとスカートを風になびかせ、俺を見つめてきた。
「べ、べつにお前なんかどーでもいーし」
「なにそれ……そんなこと言われたら悲しいよ……」
ふりふりしたブラウスにふわふわしたスカート。
ピンク色のランドセルに、つやつやした黒くて長い髪。
そんでもって、俺のすぐ前で瞳をうるうるさせている。
目を合わせると、ぐっと喉が詰まる感覚がした。
あーくそめんどくせー!!!
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