俺に彼女ができないのはお前のせいだ!
「キャー! 最低っ! 良ちゃんのバカーッ!」
アリサの叫び声とともに、
「アリサちゃんのスカートめくったよこいつー」
「まじありえないーまじえろすぎーヘンタイー」
と、アリサの取り巻きの女子たちからののしられる。
合わせて、「おい3年! 調子乗ってんじゃねーよ!」とアリサの取り巻きの男子たちから、げしげしとキックを浴びてしまう。
痛みを感じながらも、俺は気がついた。
アリサのやつ……仕込んでたな。
いつめくられてもいいように、きっとあいつは誰よりも、最先端(?)のパンツをはいているんだと。
そして、俺がめくると取り巻きたちが守ってくれて、更に彼女はお姫様扱いされることも。
結果、先生に呼び出しを食らい、親にもチクられ。
『親父には絶対に言わないでください!』と母さんに土下座までするハメに。
やっぱり、アリサは俺の天敵だ。
今の俺では親父の次に、太刀打ちできない存在。
しかも、次の日。
「今日はピンクだよ。濃い感じの。見たい?」
なんて俺にささやいてくるもんだから、タチが悪い。
(ちなみにスカートめくりブームはこの事件のせいであっという間にすたれた。)
生まれたのはたった1日違うだけなのに、1つ上の学年のアリサ。
こいつのせいで、この先、
彼女を作るチャンスをことごとく逃すハメになるとは……。
この時の俺は、知るよしもなかった。
『俺に彼女ができないのはお前のせいだ!!』