俺に彼女ができないのはお前のせいだ!
部屋に戻ってしばらく布団にくるまっていると、
階段をのぼる足音が近づいてきて、ドアが開いた。
「はい。これ、母さんから。あと、飲み物」
「ありがとう」
良ちゃんは、ラップ付きのどんぶりとペットボトルを持ってきてくれた。
どんぶりの中に入っていたのは、裕子さん特製のたまごがゆ。
ラップを開けると、甘くてふんわりした香りが部屋に漂った。
「薬は?」
「飲んだよ」
「熱は?」
「38度越えてる」
「は? そんなんで外出ようとしたの? バカじゃないの?」
ため息をついてから、良ちゃんは机におかゆを置く。
「はぁ~相変わらず口悪いよね。病人に対してひどくなーい?」
「そんなん言い返してくるヤツが病人ヅラしてんじゃねーよ」
そう言いつつも、パキッとペットボトルのフタを開けて、あたしに渡してくれた。