俺に彼女ができないのはお前のせいだ!
仕方がないので、夜ご飯を食べた後。
さっさと部屋に戻っていった良ちゃんを追った。
「勝手に入ってくんなよ」
「どうして? 前までは普通に入れてくれてたのにー」
彼は、あたしをギロリとにらみつけてから、
やる気のなさそうにベッドに転がった。
「ねぇ、最近いろいろ大丈夫? 裕子さんも心配してたよ。成績、落ちてるんでしょ?」
「お前には関係ねーよ」
「だって、心配だから……」
ベッドのすぐそばにぺたりと座り込む。
良ちゃんはやっと横目だけであたしを見てくれた。
髪の毛が伸びて、少し大人っぽさが増した。背もどんどん伸びている。
ただ、くせ毛を上手くセットしているものの、寝転がったせいか左向きに髪の毛がはねていた。
ゆっくりとそこに右手を伸ばした。
だけど。
――パンッ!
前よりも骨ばった彼の手に、邪魔された。
はねのけられたあたしの右手は行き場を失う。
かと思えば……。
「……っ!」
急にぎゅっと強く握られ、引っ張られた。
寝転んでいる良ちゃんをのぞきこむ体勢になっていた。