俺に彼女ができないのはお前のせいだ!


裏庭の大きな桜の木の下で。突然受けた愛の告白。


そういえば、ここで結ばれたカップルは永遠に幸せになれるってジンクスがあったような気が……。



この女子は普通に喋る仲だし、見た目も並以上。



恋愛対象としては全く見ていなかったが、悪くない。悪くないぞ!



これで俺にもとうとう初彼女ができる!?



テーレッテレー! と脳内にファンファーレが鳴り響いた。



しかーし。



『あー伝えられてスッキリした! 別に付き合いたいとかそういうんじゃないから。ほら良一くんってめちゃくちゃ可愛い幼なじみいるじゃん。どうせその子と付き合うんでしょ? だから、最後の思い出に伝えようと思っただけ。高校別になるしね。じゃあこれからもお互い頑張ろうね! じゃあね!』



彼女はテンション高くそうまくしたてた後、速攻で走り去っていった。



『…………』



告白されて嬉しかった半面。


俺は思い出の1ページにされただけか? ってかどうしてアリサの話が出てくるんだ? と微妙な気持ちになった。



あそこで追いかければ展開は変わったかもしれないが、後日、その女子に彼氏ができたという噂を聞いた。完。


< 127 / 269 >

この作品をシェア

pagetop