俺に彼女ができないのはお前のせいだ!
しばらく放置していたが。
「はぁ……良ちゃんかまってくれないし、両方と付き合おうかなぁ」
ぎしっとベッドが揺れる音が鳴る。
振り返ると、スマホ片手にごろごろと寝転がるアリサがいた。
キャミソールにショートパンツ、上にはパーカーをはおっただけ。
もしこの部屋が釣り堀だったら、全国の思春期男子はめちゃくちゃ高級なエサを針につけて釣り竿を振ることだろう。
しかし、今の俺にはそんなのに引っかかってるヒマはない。
彼女ではなく、再び教科書&ノートと向き合う。
「は? 両方って何それ。二股かけるってこと?」
一応、返事だけはしてから。