俺に彼女ができないのはお前のせいだ!
パタンとドアが閉まる。
「裕子さんお邪魔しました、また来まーす」
「あら帰っちゃうの? 最近、良一の成績落ちてて。アリサちゃんが勉強見てくれたら助かるかも」
「もちろんいいですよー。いつでも家庭教師やりますよ!」
という会話がドア越しに1階から聞こえてきた。
「…………」
なんとなく勉強に集中できない。
薄暗くなってきたため、部屋のカーテンを閉じようとした。
窓越しに見えるのは、道路を挟んだ先にある、アリサの家。
ピンク色のカーテンが閉じられた2階の部屋は、あいつの部屋。
アリサが部屋に戻ったのか、その窓はぱっと明かりがつき、ピンク色の光を発した。
俺はさっきのアリサとの会話を思い出した、が。
『高川さんとこの娘さん(アリサ)はいつも学年3位以内らしいじゃないか。どうしてお前はできないんだ? 真面目にやってないからだろ?』
この前浴びた、親父のカミナリを思い出してしまう。
俺は勢いよくカーテンを閉じ、再び教科書ノートと向き合った。