俺に彼女ができないのはお前のせいだ!




「あらぁ。お義母さんのぬか漬けはやっぱり美味しいわねぇ」


「裕子さんの料理も美味くなったなぁ。この煮物、そのへんの食堂のよりも味がいい」


「そんなことないわよ~お義母さんったらもう。ウフフ」



現実逃避のため、俺も一緒にウフフッと笑いたくなった。



そんな会話をしている、母・祖母コンビをよそに、

俺の前では神がお怒りになろうとしていた。



「だから、期末の順位出たんだろ? 何位だったんだ?」



どうせ嘘をついてもいつかバレる。その時の方が恐ろしい。


仕方なく、俺は親父に順位通知の紙を手渡した。



ごくり、と母と祖母の喉が鳴る。


< 19 / 269 >

この作品をシェア

pagetop