俺に彼女ができないのはお前のせいだ!
しかも、俺の家のドアが開き、
「ちょっと、あんたまたアリサちゃんのこといじめてんの?」
と母さんの怒り声が飛んできた。
「裕子さぁーん。うわぁーん、良ちゃんがあたしのことどーでもいいって言うの。悲しいよぉ」
くそ。俺の母さんを『おばさん』ではなく名前で呼ぶところがマジあざとい!
「よしよーし、アリサちゃんは何も悪くないよ。こらっ良一! こんなんばっかしてたらお父さんに言いつけるよ!」
母さんもここで親父をネタにおどすんじゃねー!
あーー朝から本当にムっかつく!
「はいはいどーせ俺が悪かったですぅー。すんませんっしたぁ」
めんどくさいから仕方なくあやまっておいた。
すると、
「じゃあ仲直りっ。裕子さん、行ってきまーす!」
泣いていたかと思えば、ニッコリと満面の笑顔になる。
そして、俺の右手をにぎって走り出した。