俺に彼女ができないのはお前のせいだ!


親父ははしを置き、はぁとため息をついた。



「お前はこの結果をどう思ってるんだ?」


「ダメだと思ってます」


「じゃあどうするんだ?」


「次はもっと頑張り……」


「具体的なプランを言えっていってるんだ!」



ガチャン、と食卓の物すべてが、一瞬だけ宙に浮かび、落ちた。



それを合図に、母と祖母は目を見合わせた後、食に集中する。


おい、助けてくれよ柳井家ババァチーム!



「……苦手科目の国語を中心にテスト勉強して、得意の数学はもっと上げます」


「その得意の数学も前回より下がってるだろ」


「だから、その、今回は新しい単元があまり相性良くなくて」


「言い訳はやめろ。聞き苦しい、飯がまずくなる」



俺だってお前の説教のせいで飯がまずいわ!


このクソ親父、仕事のストレスを俺にぶつけてお前がメシウマしてるんじゃねーの?



……とは絶対に言えず、ひたすら俺は雷を受け続けた。


< 20 / 269 >

この作品をシェア

pagetop