俺に彼女ができないのはお前のせいだ!
☆
『良ちゃん』
『なに?』
『ぎゅっとしてほしいな……』
『へ?』
胸をしめつけてくるいい香り、
体がこそばゆくなるくらいにうわずった声、
俺の服をつかんでくる華奢な指。
『キス、してほしいなぁ』
そして、俺を甘~い世界へと誘ってくるかのような上目遣い。
やめろ、やめてくれ……!
『だめ?』
『…………』
ぐぅ……そんな顔で見つめるなぁぁ!
と思いつつも、俺の手はつややかな髪の毛をなでていた。
彼女は気持ちよさそうに目を細めて、嬉しそうな顔になる。
どくんと深く鼓動が鳴り、俺はぐっと彼女を引き寄せていた。
『良ちゃん、大好き』
全てを俺にゆだねるかのごとく、彼女はふわりと目を閉じた。
白い頬に指をすべらせると、
視線は自然とピンク色の唇へ……