俺に彼女ができないのはお前のせいだ!







そして、あっという間に月日は流れ……。


高校生活の終わりが近づいてきたある日のこと。



「なーなーこれ観賞用に1冊、保存用に1冊、日常用に1冊の計3冊買っちゃったよ~」



ユージが女性ファッション誌を片手に俺のクラスに飛び込んできた。



「お前がそんな買ったとこで出版社が儲かるだけだろーが」


と俺がツッコミをいれると。



「あ、俺もそれ見たよ。さすがアリサさんだよね」



駿介も女子たちの視線をひきつれながらやって来た。



その雑誌に掲載されているのは……『決定版!イマドキ♡キャンパス女子事情』という特集で。


一番大きく取り上げられているのは『M大学1年 高川有彩さん』



アリサは、イマドキ♡なキャンパス女子ファッションで、キラッキラの笑顔をこっちへ向けている。



はいはい相変わらずかわいいっすね。通学ファッションもメイクも髪型もイケてますね。


カバンの中身公開~、って、んなのどうでもいいわ!



「でも読めば読むほどムカつくわ。特にこのインタビュー! 『彼氏は? います♡』って、ふざけんじゃねーよお前コンチクショー!」


「うるせーな。いいじゃん別に!」



ユージにしょっちゅうアリサのことでぎゃーぎゃ言われ。



「俺ずっとアリサさんにはえろさが足りないって思ってたけど、やっと色気が出てきたよねー。ちなみにベッドではどんな感じ……」


「絶対教えねーよ!」



ゲス駿介からのゲスな質問をするりとかわす。



まあ、結局こいつらとはアホみたいな日々を送っていたが、4月からはとうとうお別れか。



卒業式ではしんみりする間もなく、


「絶対遊びに行くからな! アリサ様の手料理ジップロックで冷凍保存して宝物にするから!」


「一番きわどくないやつでいいから、アリサさんのせくしーな写真送ってね」


という相変わらずのアホ&ゲス発言で送り出された俺だった。



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