俺に彼女ができないのはお前のせいだ!
☆
そして、あっという間に月日は流れ……。
高校生活の終わりが近づいてきたある日のこと。
「なーなーこれ観賞用に1冊、保存用に1冊、日常用に1冊の計3冊買っちゃったよ~」
ユージが女性ファッション誌を片手に俺のクラスに飛び込んできた。
「お前がそんな買ったとこで出版社が儲かるだけだろーが」
と俺がツッコミをいれると。
「あ、俺もそれ見たよ。さすがアリサさんだよね」
駿介も女子たちの視線をひきつれながらやって来た。
その雑誌に掲載されているのは……『決定版!イマドキ♡キャンパス女子事情』という特集で。
一番大きく取り上げられているのは『M大学1年 高川有彩さん』
アリサは、イマドキ♡なキャンパス女子ファッションで、キラッキラの笑顔をこっちへ向けている。
はいはい相変わらずかわいいっすね。通学ファッションもメイクも髪型もイケてますね。
カバンの中身公開~、って、んなのどうでもいいわ!
「でも読めば読むほどムカつくわ。特にこのインタビュー! 『彼氏は? います♡』って、ふざけんじゃねーよお前コンチクショー!」
「うるせーな。いいじゃん別に!」
ユージにしょっちゅうアリサのことでぎゃーぎゃ言われ。
「俺ずっとアリサさんにはえろさが足りないって思ってたけど、やっと色気が出てきたよねー。ちなみにベッドではどんな感じ……」
「絶対教えねーよ!」
ゲス駿介からのゲスな質問をするりとかわす。
まあ、結局こいつらとはアホみたいな日々を送っていたが、4月からはとうとうお別れか。
卒業式ではしんみりする間もなく、
「絶対遊びに行くからな! アリサ様の手料理ジップロックで冷凍保存して宝物にするから!」
「一番きわどくないやつでいいから、アリサさんのせくしーな写真送ってね」
という相変わらずのアホ&ゲス発言で送り出された俺だった。