俺に彼女ができないのはお前のせいだ!
試しに練習問題をやらせてみると、正解率は8割くらいだった。
「だいたい合ってるよ。これくらいできれば10位くらい余裕じゃない?」
「ん~。あと1、2問、ミスんなければ安全圏なんだけど」
良ちゃんは困った表情になり、
少し伸びて、くるっとした髪の毛をぼりぼりかいている。
良ちゃんは、たぶん、自分の苦手なところを自覚できていない。
そんでもって、目標だという10位以内に入ると、すぐに気を抜く。
自分のことには鈍感なんだよな、きっと。
飽きっぽくて、すぐ調子に乗って、またお父さんに怒られては必死に勉強して。
分かりやすいような、よく分かんないような。
生まれた時はほんの数時間違いなのに、学年は違う。
そのせいもあり、良ちゃんと同じ目線になることができない。
年下だって思っちゃう。
ただ、困っている良ちゃんを見てると、この前、冷たくされた仕返しをしたくなってきた。