俺に彼女ができないのはお前のせいだ!
☆
中学3年生になってすぐに、
修学旅行in京都というイベントがあった。
地主神社という、縁結びの神様として有名なスポットに俺らは来ていた。
目を閉じたユージは両手を前に出し、ゾンビのようによろよろと歩いている。
「ユージ、あと一歩! そう、そのへん」
「うおぉ、俺いけた! 彼女できるかも!」
ユージはそう言って、ゴールである背の低い石をなでなでした。
「なぁ良一もやってみろって!」
「ちっ、しょーがねーな」
なぜか俺も『恋占いの石』とやらにチャレンジすることに。
それは2つの対になった石で。
目を閉じたまま、片方の石からもう片方の石にたどり着くと恋愛が成就する、とのこと。
ぎゅっと目をつぶり、一歩一歩、前へと足を進める。
「良一、後ろ! 後ろー!」
「何で後ろなんだよ! てかお前ら余計なこと言うな!」
ちなみに、まわりのアドバイスをもとに石にたどり着いてしまうと、
恋愛も誰かのアドバイスによって叶うことになるらしい。
石と石の間はおよそ10メートル。
結構歩いたし、このへんか? よし。