俺に彼女ができないのはお前のせいだ!


しかも、俺は再び親父という名の神から雷を受けていた。



「どうしてレギュラーから補欠に落ちたんだ?」


「や、その、ちょっと勉強の方に力をいれたので」


「どっちも両立しなければ意味ないだろうが。しかもテスト結果も少しずつ落ちてきてるぞ、どういうことだ?」



うつむいている俺と、怒りモードの親父。


その隣では柳井家ババァチーム――母と祖母がさくさくとおかずをつまみ、ご飯をかきこんでいる。


やばい、早くこの説教タイムを終わらせないと俺のカントリーマアムが食われてしまう!



「すみません。部活と勉強の両立、しっかり頑張ります」


「そんなのはできて当たり前のことだ。今更かかげる目標でもないだろ!」



おおーっと、早くも食を終えた柳井家ババァチーム、母はお湯を沸かし、祖母は急須にお茶っ葉を入れ出したぞ。何てすばらしきコンビネーションなんだ!



「計画性はない。すぐ怠ける。誰にも見張られていないと手を抜く。どうしてお前は成長しないんだ?」


「…………」



ちっ。今日これ長くなるパターンか?



だって親父に求められた目標を達成しても、『そうか、次はどうするんだ?』とハードルが上がるだけ。


少しはねぎらいの言葉をくれよ。俺ほめられて伸びるタイプかもしんないのに。


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