今夜、愛してると囁いて。


早朝からこの調子では、出勤したとして迷惑をかけかねない。


『おはようございます、相川です。店長をお願いします』


どうにか職場に連絡して、熱が出たことを伝えれば電話越しに店長が「相川さんが体調不良なんて珍しいね。ゆっくり休んで」とあっさりと休暇の許可を貰えてしまった。


この5年間、無遅刻無欠勤を貫いてきて良かった……。

通話が終わり、ベッドに携帯を放り投げる。


「水……」


冷蔵庫から2Lのペットボトルを取り出して、テーブルの上に置いていたマグカップにミネラルウォーターを注ぐ。

一気にそれをあおって一息つけば、急に襲ってきた眠気と倦怠感。


明日は元々休日だったし、今日はとにかく安心して寝よう。休み明けには回復していますように。

そう思いながら身体を引きずって、布団の中にもぐり込んだ。


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