今夜、愛してると囁いて。
「薬飲んだらもう大丈夫だよ。うつしちゃうから、早く帰った方がいい」
錠剤を口に放り込んで水で流し込む。
水と錠剤を飲み込んで視線を正面に戻すと、伊月くんの綺麗な顔が目の前にあって吹き出しそうになった。
「俺にうつしていいんすよ?」
「いやいや……」
なんてまた距離を詰めてくるから、少しずつ後ろに下がる。
「本当は、」
背中が硬いものにぶつかる。振り向くと、ベッドがすぐ後ろにある。
伊月くんの腕が伸びてきて、頬の横のベッドに腕をつかれた。
あ、これテレビで見たことある。壁ドンだ。