今夜、愛してると囁いて。
「……ありがとう」
小さく言うと、伊月くんはすっと目を細めてあたしの頭を軽く撫でていった。
そのまま固まって振り返られずにいると、後ろから幸ちゃんの興奮したような声が聞こえてきた。
「わ、やっぱり彼女ですよねあれ!?めっちゃ可愛いし!」
その言葉にゆっくり振り向いて、窓の外を見れば長い黒髪が印象的なとびきりの美少女が伊月くんに笑いかけていた。
彼の表情は見えない。
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