今夜、愛してると囁いて。


「来週から新しいバイトの子が入ってくるらしいんだけど」

「ああ、ようやく応募来たんですね。良かった」


駅から徒歩20分。

場所が場所なだけに仕事として毎日のように通いたいという主婦やフリーターも少なく、同一の理由で学生もあまり寄り付かない。


一番若い従業員で、卒業のためにあと少しで辞めてしまう大学生の女の子しかいない。

あたしでさえ2番目に若いのだ。


「それがね、もう超イケメンなのよ!」

「そうですか。」


カン、とタイミングよくガラス同士が間抜けにぶつかり合う音が鳴った。

たった今あたしが洗い場に返却されてきたグラスを3つまとめて持ち上げたものだ。


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