今夜、愛してると囁いて。


「いづ、」

「抱いて、ってねだってみろよ」


手を取られて、冷たい唇が手首に触れた。

歯を立てられて、痛みから逃れようとあたしは身体をよじる。


けれど、すっかり温かくなったシャワーのお湯が顔面にぶちまけられてそれが目潰しとなってしまって抵抗もままならなくなってしまった。


「やだ、伊月くん……」

「俺が聞きたいのはそんな言葉じゃないけど。」


苛立ち混じりの言葉と、身体中に降ってくるお湯とキスの嵐にあたしは自分の意志とは関係なく、困惑しながら体温を上げていった。


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