今夜、愛してると囁いて。
「嫌い」
気がついた時にはあたしはベッドの上で、熱のこもる体内とは裏腹に冷えきった肌を温めるために布団に潜り込ませていた。
思わず口をついて出た言葉に、自分の衣服の乱れを直していた伊月くんが驚いたように振り向いた。
「大、嫌い……」
一度抑えていた感情を吐き出してしまえば、止めることは不可能だった。
溢れてくる涙と嗚咽に、あたしはシーツをたぐりよせて口元を隠す。
期待して、振り回されて、最後はさよならで、また都合良く扱われるなんてもうたくさん。