今夜、愛してると囁いて。


「あたしが、嫌いって……言ったから?」


あたしがそう言うと、伊月くんはゆるく首を横に振って何ヶ月ぶりにあたしの目を見つめてきた。


「俺……学生だし、結婚できるほどの甲斐性もないし。年下だから相手にされないって思って、それで」


伊月くんの手が伸びてきて、あたしの頬に触れた。

今度は不思議と驚くことも怖がることもなくあたしは受け入れる。

冷たい指先に、体温を奪われていく。


「身体だけでも繋がれたらって、思ってた」


次に瞬きをした時には、あたしは彼の腕の中にいた。


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