今夜、愛してると囁いて。


「……ちょ、ちょっと待って」


我に返って慌てて声を上げる。

状況が飲み込めない。

伊月くんがあたしを好きで、あたしも伊月くんが好きで、だけど伊月くんは幸せになれって?あたしに好きな人?


あたしの頭の中は色んな情報が飛び交っては弾け飛んで、いっこうにまとまらない。

あたしは意を決して自分の見解を口に出す。


「す、好きな人って……何?もしかしてあたしの元カレのこと言ってる?」

「え、は、はい。プロポーズされたって」


そう言えばその話をした時、伊月くんに遮られたからプロポーズの返答について話していなかった。


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